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笑ってはいけないんだが、思わず吹き出してしまった。
彼氏、さぞやびっくりしただろう。 この小動物っぽい姿からは想像できないだろうな。 148cmのコンパクトボディに大きな目にふわふわのくせっ毛。 いわゆる可愛いに分類されるタイプだと思う。 でも、こう見えて、意外と気が強いんだからな。 殴られる前に、おそらくさつきにがっつり怒られたはずだしな。 ざまーみろ、彼氏。さつきが怒ると本気で怖いんだからな。俺が散々この身で体験済みなんだからな。今頃自分の見る目のなさを呪ってろ。 ちょっと胸がすっとしたが、さつきの傷心を思うと胸が痛い。この外見とのギャップで結構苦労しているからな。 「いや、ちょっと、待て。まさかそのまま学校で夜明かししたのか? 変質者が出たらどうするんだ! それに下手したら凍死するぞ。その顔を親や友達に見せたら心配するからってのは分かるが、だったらせめて俺んとこに来い。今更遠慮もないだろう!」 「大丈夫。部室に篭もってて、さっきこっそり帰ろうとしたら亮くんに見つかっただけで、全然何も危ないことはなかったよ。天文部の部室には寝袋もあるし」 「大丈夫じゃない。俺が心配だし、おばさんが死ぬほど心配して俺んとこに電話してきたんだぞ、顔見たくなかったら部屋に閉じこもってていいから、せめてそういう時は俺んとこにしとけ」 思わずぎゅっと抱き締める。そうするとさつきからは外が見えない。 「なによ。二つも年下の癖にぬりかべみたいににょきにょき育っちゃってずるい。私にも分けて。ずるいずるい」 くぐもった声がずるいと訴える。 だが、ずるいと言われても分けろと言われても無理な相談だ。もう小学4年の頃にはさつきの身長を抜いていたんだし。その差は広がることはあれども縮まることはない。 しかし、人を喩えるのにぬりかべは酷い気がするぞ。さつきは可愛い顔して存外口が悪い。きっと振られたのも口が禍したんだと思ったけれど、さすがに今、傷口に塩を塗りこむ気もしないので俺は壁に徹する。 「あーはいはい、俺は今ただの壁だから気にしないで」 「亮くんの癖に生意気だー」 PR |
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